
メールサーバーの設定をしていたら、「SMTP」っていうのが出てきた…。
これって何?
このようなことでお困りでしたら、このまま読んでいってください。
この記事では、「SMTPとは何か」「仕組みや認証」「ポートの設定方法」などの情報をわかりやすく解説いたします。
SMTPとは?
SMTP(Simple Mail Transfer Protocol/シンプル・メール・トランスファー・プロトコル)とは、
メールを送信したり、メールサーバー同士でメールを転送したりするための通信プロトコルです。
「プロトコル」とは、コンピューター同士が通信するときの共通ルールのことです。

例えば、メールを送信するときには、
メールソフト → 送信メールサーバー → 相手側のメールサーバー → 受信者
というようにメールが運ばれます。

このとき、メールを送信・転送するために使われる代表的なプロトコルがSMTPです。
SMTPはインターネット上の電子メール転送を行うための基本的なプロトコルとして定義されています。

SMTPを身近な例で考えると?
SMTPは、郵便物を配達する仕組みに例えるとわかりやすいでしょう。
メール本文が「手紙」だとすると、SMTPはその手紙を郵便局から別の郵便局へ運ぶためのルールにあたります。
メールを送る人がメールソフトで「送信」を押すと、SMTPを使ってメールサーバーへメールが渡されます。
その後、必要に応じて複数のメールサーバーを経由し、最終的に受信者側のメールサーバーへ届けられます。
SMTPでは、メールが途中のサーバーを経由して転送される仕組みも定義されています。

SMTPの仕組み
SMTPによるメール送信は、簡単にすると次のような流れです。
1.メールを作成
↓
2.メールソフトがSMTPサーバーへ送信
↓
3.SMTPサーバーが宛先を確認
↓
4.相手側のメールサーバーへ転送
↓
5.受信者のメールボックスに保存
ここで登場する「SMTPサーバー」とは、SMTPを使ってメールの送信や転送を行うメールサーバーのことです。
例えば、あなたが「example@example.com」という宛先にメールを送るとします。
メールソフトから送信されたメールは、まず契約しているメールサービスなどの送信サーバーへ渡されます。
送信サーバーは宛先のドメインを確認し、DNSなどの仕組みを利用して、宛先ドメインのメールサーバーを探します。
その後、メールサーバー同士がSMTPを使ってメールを転送し、最終的に相手側へ届けます。
SMTPで使われるポート番号
SMTPでは、通信に使用する「ポート番号」も重要です。
ポート番号とは、コンピューター上でどの通信サービスを利用するかを識別する番号です。

SMTP関連では、主に次の番号が使われます。
| ポート番号 | 主な用途 |
|---|---|
| 25番 | メールサーバー間の転送など |
| 587番 | メールの送信(Message Submission) |
| 465番 | TLSによる暗号化されたメール送信 |

特に、メールソフトなどからメールを送信する場合は587番ポートがよく使われます。
RFC(インターネット技術の標準仕様や運用ルールを記した公式な文書)では、587番ポートがメールのMessage Submission(メール送信)用として予約されています。
また、465番ポートはTLSによる暗号化されたメール送信に使用されます。RFC 8314では、465番を「Message Submission over TLS」のポートとして扱っています。
SMTP認証とは?
SMTPを理解するときに、もう一つ知っておきたいのがSMTP認証です。
SMTP認証とは、メールを送信する前に、ユーザー名やパスワードなどを使って「正しい利用者であること」を確認する仕組みです。
認証とは、簡単にいうと「あなたは本当にこのサービスを利用してよい人ですか?」と確認することです。
SMTP認証を利用することで、第三者が勝手にメールサーバーを利用してメールを送信することを防ぎやすくなります。
特に587番ポートを利用したメール送信では、認証を行うことが重要とされています。
SMTPとPOP3・IMAPの違い
SMTPと一緒によく登場するのが「POP3」と「IMAP」です。
この3つはメールに関係するプロトコルですが、役割が異なります。
| プロトコル | 主な役割 |
| SMTP | メールを送信・転送する |
| POP3 | メールサーバーからメールを受信する |
| IMAP | メールサーバー上のメールを確認・管理する |


簡単に覚えるなら、
SMTP=送る
POP3=受け取る
IMAP=サーバー上のメールを見る・管理する
と考えるとわかりやすいでしょう。
例えば、メールを送信するときにはSMTPを利用し、届いたメールをメールソフトで確認するときにはPOP3やIMAPが利用されます。
つまり、SMTPは基本的に「メールを送る側」の仕組みと考えると理解しやすくなります。
SMTPとHTTPの違い
SMTPと「HTTP(HyperText Transfer Protocol)」も混同されることがあります。
HTTPは、Webページなどの情報をWebブラウザとWebサーバーの間でやり取りするためのプロトコルです。
一方、SMTPはメールの送信・転送に使われます。
つまり、
HTTP → Webサイトを見るための通信ルール
SMTP → メールを送信・転送するための通信ルール
という違いがあります。
SMTPのメリット
SMTPを利用することで、インターネット上でメールを送信・転送できます。
主なメリットは次のとおりです。
メールを効率よく送信できる
メールサーバー同士がSMTPを使って通信することで、送信したメールを相手側のメールサーバーまで届けられます。
世界中のメールサービスで利用されている
SMTPはインターネットメールを支える基本的なプロトコルの一つです。
そのため、さまざまなメールサービスやメールサーバーで利用されています。
認証や暗号化と組み合わせられる
SMTPによるメール送信では、SMTP認証やTLSによる暗号化などを組み合わせることができます。
TLSとは、ネットワーク上の通信を暗号化するための仕組みです。

これにより、メール送信時の安全性を高められます。
まとめ:SMTPを理解するとメールの仕組みがわかる
SMTPは、普段何気なく利用しているメールを支える重要な仕組みです。
ポイントをまとめると、次のようになります。
普段使っているメールは、単純に送信ボタンを押すだけで相手に届いているわけではありません。
SMTPによってメールを送信・転送するためのルールが決められているからこそ、異なるメールサービス間でもメールをやり取りできます。
SMTPの仕組みを理解すると、メールサーバーやDNS、POP3、IMAP、TLSなど、ネットワークやメールに関するさまざまな技術も理解しやすくなります。


