メールを使っていると「POP3」という言葉を見かけることがあります。
メールアカウントを設定するときに「POP」「IMAP」といった選択肢が表示され、「どちらを選べばいいの?」と迷った人も多いのではないでしょうか。
この記事では、「POP3とは何か」「仕組みや特徴」「IMAPとの違い」「メリット・デメリット」まで初心者向けにわかりやすく解説します。
POP3とは?
POP3とは、メールサーバーに保存されているメールを、メールソフトなどの端末へ受信するためのプロトコルです。


POP3の正式名称は「Post Office Protocol Version 3」です。
「Post Office」は郵便局という意味なので、名前からもメールを受け取るための仕組みであることがイメージできます。
POP3では、メールサーバーに届いたメールをパソコンなどへダウンロードして受信します。
例えば、会社から送られてきたメールがメールサーバーに保存されているとします。
パソコンのメールソフトがPOP3を使ってメールサーバーへ接続すると、サーバーにあるメールをパソコンへ取り出せます。
イメージすると、次のような流れです。
メールサーバー → POP3 → パソコン・メールソフト
POP3は、メールを「サーバーから端末へ取り出す」ことに重点を置いた仕組みです。
RFC1939(インターネット技術の標準仕様や運用ルールを記した公式な文書)でも、POP3はサーバーが保持しているメールをクライアントが取得するためのプロトコルとして定義されています。

POP3の仕組み
POP3によるメール受信は、基本的に次のような流れで行われます。
1.メールがメールサーバーに届く
まず、送信者から送られたメールがメールサーバーに届きます。
メールサーバーとは、メールを送受信するためのコンピューターやシステムのことです。
2.メールソフトがメールサーバーへ接続する
パソコンなどのメールソフトがPOP3を使ってメールサーバーへ接続します。
このとき、ユーザー名やパスワードなどを使って本人確認を行います。
3.メールを端末へダウンロードする
認証に成功すると、メールサーバーに保存されているメールをパソコンなどへダウンロードします。
ダウンロードとは、インターネット上にあるデータを自分の端末へ取り込むことです。
4.サーバー上のメールを処理する
POP3では、メールを端末へ取り出した後、サーバー側のメールを削除する設定が一般的です。
ただし、現在のメールソフトでは「サーバーにメールのコピーを残す」という設定も利用できます。
つまり、POP3は基本的に、
「サーバーにあるメールを、自分の端末へ持ってくる」
という考え方のプロトコルです。
POP3のポート番号
POP3では、メールサーバーと通信するときにTCP 110番ポートが標準的に使用されます。
ポート番号とは、ネットワーク上でどのサービスと通信するのかを識別するための番号です。

例えば、建物の住所が「IPアドレス」だとすると、ポート番号は「建物の中の受付窓口」のようなものだと考えると分かりやすいでしょう。
なお、暗号化通信を利用する場合には、環境によって異なるポート番号が使用されます。
メールソフトを設定するときは、利用しているメールサービスが指定しているサーバー名やポート番号を確認することが重要です。
POP3とIMAPの違い
POP3とよく比較されるのがIMAPです。
IMAPとは、メールサーバー上のメールを管理・閲覧するためのプロトコルです。

POP3とIMAPの大きな違いは、メールをどこで管理するかという点にあります。
| 比較項目 | POP3 | IMAP |
|---|---|---|
| 基本的な考え方 | メールを端末へ取り込む | サーバー上でメールを管理 |
| メールの保存場所 | 端末中心 | サーバー中心 |
| 複数端末との相性 | △ | ◎ |
| サーバー容量 | 比較的抑えやすい | 多く必要になる場合がある |
| メール状態の同期 | 苦手 | 得意 |
POP3は、メールをパソコンなどにダウンロードして利用する方法に向いています。
一方、IMAPはサーバー上のメールを管理するため、パソコン・スマートフォン・タブレットなど複数の端末から同じメール環境を利用したい場合に向いています。
例えば、スマートフォンでメールを読んだ後、パソコンでも同じ状態を確認したい場合は、IMAPのほうが扱いやすいでしょう。
POP3のメリット
POP3には、次のようなメリットがあります。
メールを端末に保存できる
メールを端末へダウンロードするため、設定や環境によっては、サーバーから取得したメールを端末側で保存して管理できます。
オフラインでもメールを確認しやすい
一度メールを端末へダウンロードしておけば、インターネットに接続していない状態でも、保存済みのメールを確認できる場合があります。
サーバーの容量を抑えやすい
サーバー上のメールを端末へ移動し、サーバー側から削除する運用にすれば、メールサーバーの保存容量を抑えられます。
POP3のデメリット
一方で、POP3には注意点もあります。
複数端末での利用には向いていない
POP3はメールを端末へ取り込む仕組みなので、複数の端末でメールを管理すると、メールの状態が分かりにくくなる場合があります。
メールの同期が苦手
「同期」とは、複数の端末や場所で同じ状態にそろえることです。
例えば、スマートフォンでメールを削除しても、パソコン側にはその状態が反映されないなど、端末間で管理状態が一致しにくい場合があります。
サーバーから削除すると注意が必要
POP3ではメールをダウンロードした後、サーバーからメールを削除する設定が可能です。
そのため、複数の端末から同じメールを確認したい場合は、設定をよく確認する必要があります。
POP3は現在も使われている?
POP3は古くから利用されているメール受信プロトコルですが、現在もメールサーバーやメールソフトで利用できます。
MDN(Web技術に関する公式な情報や使い方がまとめられたWebサイト)もPOP3を一般的なプロトコルとして説明しています。
ただし、スマートフォンやパソコンなど複数の端末でメールを利用する機会が増えた現在では、メールをサーバー側で管理できるIMAPが便利なケースも多くあります。
そのため、「POP3だから必ず優れている」「IMAPだから必ず優れている」ということではなく、メールをどのように利用するかによって選択することが大切です。
まとめ:POP3とはメールを受信するためのプロトコル
POP3とは、メールサーバーに保存されているメールを、パソコンなどの端末へ取り出すための通信プロトコルです。
今回のポイントをまとめると、次のとおりです。
POP3は、メールを受信するための基本的な仕組みの一つです。
「メールサーバーからメールを取り出す仕組み」と覚えておくと、SMTPやIMAPなど、ほかのメール関連プロトコルについても理解しやすくなります。


