Excelで作業をしていると、セルに入った数式や関数で指定された「セル参照」が返って邪魔になることがあります。
なぜなら、参照先のセルが削除された場合にエラーが出てしまうからです。
そんなときは、「値のみ貼り付け」することで解決します。
この記事では、「値のみ貼り付け」する方法と、値のみ貼り付けの活用法を解説いたします。
－著者情報－
名前：Utatane
Excel使用歴：15年以上
ひとこと：初心者だった当時に戻った気持ちになって解説いたします
※わかりやすさを重視しております。厳密には解釈が異なる場合がありますことをご了承ください。
実演パソコンのスペック（ソフトやバージョンによっては、表示や結果が異なる場合があります）
- OS：Windows11 Home 64bit
- Excel：Microsoft Office Home and Business 2021
Excelで値のみ貼り付けする方法
「値のみ貼り付け」とは、セルの関数や数式・書式を除き、見えている数字や文字だけを貼り付ける方法です。
例えば下図のように、A1セルに「1+2」という数式が入っていたとします。
セルに表示された数字は3（1+2）です。
これをB1セルに値のみ貼り付けすると、数式は消えて「3」という数字のみを貼り付けすることができるというわけです。
では、値のみ貼り付けする方法を２つ紹介いたします。
右クリックメニューから値のみ貼り付け
最も一般的な方法がコレです。
まずは、値のみ貼り付けしたいセルをコピーします。
（「右クリック→コピー」もしくは「Ctrlキーを押しながらCキーを押す」）
値のみ貼り付けしたいセル（今回はB1）を選択し、右クリック→値（123と表示されたアイコン）をクリックすることで、値のみ貼り付けすることができます。
もしくは、右クリック→「形式を選択して貼り付け」の右矢印にカーソルを合わせることで、値アイコンが出てきます。
値のみ貼り付けのアイコンが無い場合は、コピーがうまく実行されていない可能性があります。
再度コピーを行ってみてください。
B1セルに値のみ貼り付けすることができました。
値のみ貼り付けしたので、セルには数式ではなく値が表示されています。
今回はB1セルに値のみ貼り付けしましたが、元のセル（A1セル）に上書きすることも可能です。
その場合、元の関数や数式が無くなり値だけになってしまいますので注意してください。
値のみ貼り付けは、ひとつのセルだけではなく、「A1～C3」や「A列すべて」など広範囲でも実行可能です。
貼り付け時は、同じ範囲を指定してもいいのですが、ひとつのセルを指定して値のみ貼り付けするだけでOKです。
これで範囲分のセルも自動的に値のみ貼り付け状態となります。
ショートカットキーで値のみ貼り付け
まずは、値のみ貼り付けしたいセルをコピーします。
（「右クリック→コピー」もしくは「Ctrlキーを押しながらCキーを押す」）
値のみ貼り付けしたいセル（今回はB1）を選択し、「CtrlキーとAltキーを押しながらVキー」を押します。
「形式を選択して貼り付け」画面が表示されるので、「値」を選択してOKをクリックします。
値のみ貼り付けできました。
値のみ貼り付け活用法
書式をコピーしたくない場合
値のみ貼り付けは、その名の通り「値のみ」が貼り付けされるため、書式はコピーされません。
書式には、文字色や罫線の他に、表示形式（通貨・パーセント）なども含まれます。
これらの書式をコピーしたくない場合、値のみ貼り付けが便利です。
計算結果だけを保存する
例えば1ヶ月（30日）の支出額を計算した結果を年間データにコピーする際に値のみ貼り付けが便利です。
1ヶ月のデータは削除して次月に再利用できます。
別ブックのセルを参照している場合
関数や数式などで別ブックのセルを参照している場合、参照先のブックを閉じてしまうと参照が切断しエラーが発生してしまう場合があります。
参照先のブックを閉じる前に値のみ貼り付けすることで、エラーを回避することができます。
マクロやPythonで値のみ貼り付けを自動化
マクロを使用すれば、一瞬で値のみ貼り付けを実行することができます。
少し難易度は上がりますが、できるだけ簡単に出来る方法を下記記事でわかりやすく紹介しております。
さらなる時短を求めたい方はご参考ください。
また、さらに難易度は上がりますが、Python（openpyxl）を使うことで、Excelファイルを開かなくても「値のみ貼り付け」を実行することができます。
最後に
Excelで値のみ貼り付けする方法について解説いたしました。
当ブログでは、VBAマクロやPythonなど、時間を生み出すプログラミング術を公開しております。
この記事がわかりやすいと感じた方は、他の記事も読んでいってください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。がんばってください！
