【初心者向け】Excel関数の基本と便利な使い方まとめ｜引数や返り値も解説

※わかりやすさを重視しております。厳密には解釈が異なる場合がありますことをご了承ください。

Excel関数とは？基本的な考え方

Excel関数とは、特定の計算や処理を自動で行ってくれる「便利な時短プログラム」です。
プログラムと言うと難しく感じるかもしれませんが、簡単な例を挙げてみましょう。

例えば、セル「A1～E1」の合計値を求めたい場合があったとします。
関数を使わなければ、「=A1+B1+C1+D1+E1」と入力する必要があります。

しかしながら、セルが100個、1000個あった場合はどうでしょう？
考えただけでウンザリしてしまいますよね…。

そこで関数の出番です。
数値を合計するSUM関数を使えば「=SUM(A1:E1)」と入力するだけでOKです。

このように、SUM関数には「引数の範囲を合計する」というプログラムが詰まっているというわけです。

引数・返り値とは？

引数とは、引き渡す数（値）の略で、関数に渡す値やセル名・セル範囲を指します。
前項の例で言えば、「=SUM(A1:E1)」の「A1:E1」が引数（関数に引き渡すセル範囲）です。

返り値は、関数が実行された結果、表示される値を指します。
要は答えだと思ってください。
例えば下図のように、SUM関数で「A1～E1」を引数として渡すと、計算結果がセルに表示されます。
これが返り値です。

日常で例えれば、魚屋さんにアジの３枚おろしを作ってもらいたい場合、
アジを渡して３枚おろしを受け取ります。
アジが引数、３枚おろしが返り値といったところでしょうか。

入れ子（ネスト）とは？

入れ子（ネスト）は、関数の中に関数を入れることを指します。
マトリョーシカを想像していただくとわかりやすいかもしれません。

例えば下記のような条件分岐をさせたかったとします。

セルA1の値が0なら「無くなりました」、それ以外なら「あります」と表示

IF関数を使って下記のように入力すると実現できます。

=IF(A1=0, "無くなりました", "あります")

▼IFの基本構文
=IF(条件式, 条件式が当てはまる場合の処理, 条件式が当てはまらない場合の処理)

しかしながら、入力ミスなどで「値がマイナス」になることもあるかと思います。
0以外で「あります」と表示されるので、値がマイナスでも「あります」と表示されます。
これは少々おかしいですよね。
なので、「あります」のところを、「0未満（マイナス）」なら「エラー」、「それ以外」なら「あります」というように変えたとします。
この場合は、以下のように入力します。

=IF(A1=0, "無くなりました", if(A1<0, "エラー", "あります"))

IF関数の中にIF関数が入りました。これが入れ子（ネスト）です。

入れ子（ネスト）を使いすぎる（マトリョーシカを重ねすぎる）と、処理結果がわかりにくくなるため、使い過ぎには注意しましょう。

では次に、関数の入力方法について詳しく解説いたします。

関数の入力方法

まずは簡単なSUM関数で基本の入力方法を学びましょう。
セルA2を選択したら、そのままダブルクリックするか、F2キーを押して編集モードにします。

セルの中でカーソルが点滅していたら編集モードです。

次に「=（イコール）」を入力します（「Shift」キーを押しながら「－」キーを押す）
半角・全角どちらでも構いませんが、この後のことを考えると、半角の方が作業しやすいかと思います。
半角のイコール：=
全角のイコール：＝

関数は全て「=」から始まりますので覚えておきましょう

次に「sum」と入力します。
大文字と小文字、どちらでも構いません。

下になにやらワラワラと出てきますが、今は特に気にしなくてOKです。
関数に慣れてきたら理解できるようになります。

次に左右のカッコ「()」を入力します。

カッコ「()」は必ず半角丸カッコを入力してください。
全角の（）や【】などでは動作しません。

右側のカッコ「)」は自動で入る場合もありますが、ネストしている場合などは自動で入らないため、自分で先に入れるのが無難です。

カーソルがカッコの外に出てしまっていますので、カッコ内をクリックします。

また何やら出てきますが、特に気にしなくて大丈夫です。

カッコ内に「A1:E1」と入力するか、「A1～E1」を範囲選択（A1からA5までドラッグ）しましょう。

最後にEnterキーを押せば完了です。
A1～E1の合計値がセルA2に表示されたかと思います。

基本的には、
セル内に「イコールを書く」→「関数名を書く」→「カッコを書く」→「引数を書く」→「決定」
という流れですので覚えておきましょう。

よく使う代表的なExcel関数

一般的によく使うExcel関数をまとめてみました。

関数の組み合わせ活用テクニック

Excel関数は、単体で使うよりも関数どうしを組み合わせることで、さまざまなことが実現できます。
今回は簡単で効果の高い組み合わせを紹介いたします。

IF + VLOOKUP

IFとVLOOKUPを組み合わせると、条件によって異なる検索を行うことができます。

=IF(B2="A",VLOOKUP(C2,F:G,2,0),VLOOKUP(C2,I:J,2,0))

B列の分類が「A」なら、担当に応じた調達先Aを検索し、分類が「A」以外なら調達先BCを検索する例です。

TEXT + DATE

TEXTとDATEを組み合わせることで、日付を好きな表示形式に変更することができます。

=TEXT(DATE(2025,1,1),"yy/mm/dd")
→25/01/01

LEFT + FIND

LEFTとFINDを組み合わせると、指定の文字までの文字列を抜き出すことができます。

▼「-（ハイフン）」までの文字列を抜き出し
=LEFT(123-45,FIND("-",123-45)-1)
→123

関数を使うときの注意点・エラー対処法

Excel関数を使う上で最も注意したいのが「エラー」です。
エラーが発生すると、せっかく作った資料がうまく表示されず、努力が水の泡になってしまいます。

今回はよくあるエラーをまとめましたので、対処法も含めてご覧ください。

#N/A

セルに「#N/A」と表示された場合は、検索ワードが見つからなかったことを指します。
VLOOKUP関数などを使用しているときによく出るエラーです。

上記の例では、探そうとしているNo5が右側の一覧に無いため、「存在しませんよ！」とエラーが表示されています。

IFERROR関数と組み合わせることで、エラーではなく「存在しません」などと表示させることもできます。

#VALUE!

セルに「#VALUE!」と表示された場合は、計算に不適切な値が含まれていることが原因です。
例えば文字列など、計算できない値が含まれていた場合です。

IFERROR関数と組み合わせることで、エラーではなく空白を表示させることもできます。

#REF!

セルに「#REF!」が表示された場合は、参照先のセルが存在しないか、無くなったことが原因です。
セル・行・列・シートの削除を行った場合などに出るエラーです。

残念ながら、こうなってしまうと元に戻すことはできません。
ブックを閉じる前なら、戻る（Ctrlキーを押しながらZキーを押す）操作で復元できる場合がありますが、
保存してブックを閉じてしまったら、復元は不可能です。
基本的にシートや行・列の削除は行わないようにしましょう。
また、データのバックアップ（複製保存）をしておくことも大切です。

#DIV/0!

セルに「#DIV/0!」が表示された場合は、値を0で割ったことが原因です。

IF関数を使って、分母のセルが0なら計算しないような対策をしましょう。

#NAME?

セルに「#NAME?」と表示された場合は、関数名やセル指定を間違えている可能性が高いです。
入力した内容をよく確認しましょう。
よくわからない場合は、一旦このセルの値を削除して、再度入力してみるのも一つの手です。

最後に

Excelの関数ついて解説いたしました。

当ブログでは、VBAマクロやPythonなど、時間を生み出すプログラミング術を公開しております。
プログラミングを習得できれば、Excel作業が一瞬で終了し、他の業務や作業をする時間を生み出すことができます。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。がんばってください！