
上図のように、都道府県を選んだら、それに対応した市町村を選択できるといったように、
複数のリストを連動させたい場面があるかと思います。
この記事では、Excelのプルダウンリストで大分類→中分類と2段階でリストを連動させる方法を解説いたします。
-著者情報-
名前:Utatane
Excel使用歴:15年以上
ひとこと:初心者だった当時に戻った気持ちになって解説いたします
※わかりやすさを重視しております。厳密には解釈が異なる場合がありますことをご了承ください。
実演パソコンのスペック(ソフトやバージョンによって結果が異なる場合があります)
- OS:Windows11 Home 64bit
- Excel:Microsoft Office Home and Business 2021
Excelのプルダウンリストで大分類→中分類と2段階で連動させる方法
手順は以下の通りです。
- データの準備
- 名前の定義(名前の管理)
- 大分類(親)リストを作成
- 中分類(子)リストを作成
1つ1つ解説いたします。
データの準備
まずはリストにするデータを準備しましょう。
今回は趣味を選択するというテーマで、下図のようなデータを用意しました。

「A1~C1」が大分類(親)項目、「A2~A4」「B2~B3」「C2~C4」が中分類(子)項目です。

親項目の「スポーツ」を選んだら、「野球・サッカー・テニス」から選べるといったリストになります。
名前の定義(名前の管理)
次に、「名前の定義」を行いましょう。
「名前の定義」とは、特定のセルに名前をつけることができる機能です。
子項目「野球・サッカー・テニス」が入力されている「A2~A4」セルに「スポーツ」という名前をつけて登録します。
該当する「A2~A4」セルを選択したら、上部メニューの「数式」→「名前の定義」をクリックします。

「新しい名前」ウィンドウが開きます。
「名前」の部分に「野球」と表示されておりますので、これを削除し「スポーツ」に書き換えましょう。

この「名前」は、「A1」セルの「スポーツ」と完全一致するようにしてください。
大文字小文字・全角半角など、少しでも相違があると動作しません。
「OK」をクリックして1つ目は完了です。

あとは「旅行」「音楽」も同様に登録しましょう。
名前を変更したり、登録を削除したい場合は、「数式」→「名前の管理」から編集できます。

大分類(親)リストを作成
いよいよ本番のリスト作成です。
まずは大分類である「親リスト」から作っていきましょう。
リストを設置したいセルを選択したら、
上部メニューの「データ」→「データの入力規則」をクリックします。
(今回はD1セルに親リストを設置)

「設定」タブの「入力値の種類」を「リスト」に変更し、
「元の値」に親項目である「スポーツ,旅行,音楽」を入力します(カンマ区切り)
この親項目は、それぞれ「セルA1~C1」および、「名前の定義」で登録した名前と完全一致するようにしてください。

入力がめんどうな場合は、上図のようにA1~C1セルを範囲選択することでも同じ結果が得られます。
しかしながら、セルの値が変わってしまうと機能しなくなるので注意しましょう。
OKをクリックすると、親リストが完成します。

中分類(子)リストを作成
次に中分類である「子リスト」を作成します。
子リストを設置したいセルを選択し、上部メニューの「データ」→「データの入力規則」をクリックします。
「設定」タブの「入力値の種類」を「リスト」に変更し、
元の値に「=INDIRECT(親リストのセル位置)」を入力してください。
今回は親リストがD1セルなので、「=INDIRECT(D1)」となります。

【INDIRECTとは?】
INDIRECTは、セルの参照を変更することができる関数です。
例えばD2セルに「=INDIRECT(D1)」と記述した場合、D1セルが参照されますが、
さらにD1セルに「A1」と記述されていれば、A1セルを参照させることができます。

今回はD1セルに「スポーツ」と記述されているので、名前の定義で登録した「スポーツ」が参照され、子項目を選択できるというわけです。
これで両方のプルダウンリストが完成しました。
動作を確認してみましょう。
まずは親リストの中からスポーツを選択します。

次に子リストをクリックします。

無事「野球・サッカー・テニス」が表示されました。

今回はわかりやすくするために同一シート内でまとめましたが、データとリストを別々のシートに分け、データシートを非表示にすることでスッキリします。
また、小分類(孫)リストを作成したい場合は、子リストを作る要領でできます。
別のセル(E1~E3)にデータ(MF・DF・GK)を用意し、名前の定義を行ってリストに「=INDIRECT(D2)」を入力するだけです。
住所や趣味、得意科目などを絞り込みさせたい場合に便利ですので、ぜひご活用ください。
プルダウンリストの編集や削除方法は下記記事で詳しく解説しております。ご参考ください。
最後に
Excelプルダウンリストを2段階で連動させる方法について解説いたしました。
当ブログでは、VBAマクロやPythonなど、時間を生み出すプログラミング術を公開しております。
この記事がわかりやすいと感じた方は、他の記事も読んでいってください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。がんばってください!